「母と暮らせば」を見た。


想像と違った。想像より良かった。


普通だったら絶対見ない映画。二宮さんが出るので公開翌日12/13に相方と行ってきたよ。


普段マンガとか小説の原作モノ、かつ少女漫画系ばっか見てるから、客層からして全然違って新鮮だった。にのちゃん目当てらしき女子高生・大生もいるし、監督なのか吉永小百合さんなのか、結構年齢層高めな女性チームとかご夫婦とかいらっしゃった。むしろそっちのが多いかも?にの担は初日の舞台挨拶ライビュとか行くか。


以下ネタバレ含む。


冒頭からめっちゃ戦争映画って感じで、やばいこのテンションでずっと進むとだいぶ重いな、と思ってたけど、結構みんなよく喋るし、音楽も結構鳴るなら無音な時間はほぼなかったと思う。にのちゃんはよく喋る子設定だったし。そこが想像より良かったところ。


息子が原爆で亡くなって3年後、母親が1人で暮らしてるところに出てきた息子の幽霊と母の2人のやりとりが主。時々思い出話の回想を挟みつつ、1年くらいかけて母と息子が現世に別れを告げてく、みたいな話なのかなと私は思った。

でも母とのやりとりと言いつつ、話題の大半は息子が遺した婚約者の話なので、結構2人の別れの物語的なとこはある。2人の恋純情なのでキュンキュンしちゃう。腕相撲のシーンとか良い。

黒木華ちゃんは賢くて気立てが良くて、こういう話に出てくる人として超ぴったりだった。声可愛い。

あと吉永小百合さんすごくお母さんだった。息子が可愛くて仕方ないお母さん。

出てる人みんなそうだけどほんとに演技が上手いと演技上手いなーとか下手だなーとか思う暇なく物語に入れるからいいよね。


最終的に幽霊の息子が母を連れて行っちゃうんだけど、私は割とこの結末でびっくりした。最近の話だと結構それでも私は生きていくパターンが正論というか、婚約者は結局別の人を見つけて別の道で幸せになるんだけど、近しい人と死に別れた場合、後追いは悪で、自分の人生を生きることが善って固定観念あるよな、って思ってたから道連れにしちゃってもいいのか!って驚いたかな。

生=善で死=悪が世間のしきたりだと思ってたけどまぁ別にそうでもないのか。お母さんにとってはそっちの方が幸せだからいいのかな。


こういう昔から評価されてる映画監督の作品は初めて見たんだけど、場面の切り替わりに無駄がなくてそこは私は好きだったな。もったいぶった空白とかがなくてパキパキしてた。でも幽霊が足元から消えてく様とかはやっぱ古い感じはしたかな。あと最後の合唱は結構恐怖。


あと1個気になったのが、結構みんな人の死に対して直接的な表現をするんだな、ってところ。自分があんまり人の死に直面してないからかもだけど、あの先生はあの日にこうなって、そのあとこうなってこうなって、死んでしまった、みたいな話を結構普通にしてて、なんとなくそういうのって濁してあんまり言わないのかと思ってたのでびっくり。亡くなったとかでなく死んでしまったとか言う。私は人の死の話とか上手にできなくて、どんな顔していいかわかんない。というか全然自分の中で消化しきれないな。時代的な話なのかな。


もう1回見たいとは思わないけど、こういうエンタメ映画以外のも気が向いたら見ようかな、くらいは思った。